本文へスキップする メニューへスキップする

BAMBOOCRAFTS

丁寧な手しごとと出会う別府竹細工

シェアする

芸術品から暮らしの道具まで

竹細工が根付く温泉のまち別府。

温泉のまちとして知られる別府は、温泉とともに育まれた伝統工芸が根付いているまちでもあります。

「別府竹細工」は、国の「伝統的工芸品」にも指定されており、その歴史は古く、大和時代まで遡ると言われています。別府の湯治客とともに発展していった別府竹細工。

毎日の暮らしに根付くものから、 空間を彩る芸術品まで様々な形で、 わたしたちを魅了してくれます。

そんな別府を旅するなら、 伝統工芸士たちが創り上げる
美しい竹細工に
触れていってみませんか?

伝統工芸品別府竹細工とは?

WHAT IS BEPPU BAMBOO CRAFTS?

1979(昭和54)年、伝統的工芸品の指定を受けた別府竹細工。大分県は日本一のマダケの産地でもあります。良質の竹に恵まれた別府で、どのように竹工芸が発展したのでしょうか。その歴史を紐解いてみましょう。

HISTORY

竹と別府の深いつながり

1世紀からはじまる、
竹細工の歴史

別府竹細工の起源は、1世紀頃まで遡るとも言われます。景行天皇が九州熊そを征伐した帰り、別府へと立ち寄りました。その従者が良質な竹を大量に発見し、茶碗カゴ(メカゴ)を作ったことが始まりと伝えられています。

室町時代に入ると、木で椀や盆を作る職人たちが竹の塩カゴを発案。行商用のカゴが生産・販売されたといわれています。

*行景天皇:『古事記』『日本書紀』で第12代天皇と伝えられる人物で、ヤマトタケルノミコトの父

江戸時代、日本有数の温泉地としてその名が知られるようになった別府。滞在中、湯治客は、竹製のカゴやざるなどを使用しました。そして全国各地に持ち帰ったため、お土産品として竹細工が定着し、別府の産業として発展を遂げたのです。

ART
WORKS

造形性を高めた芸術品としての竹

POINT01

全国でも珍しい竹を学ぶ学校

暮らしの道具として親しまれてきた別府竹細工は、工芸品としても発展してきました。その発展を支えてきたのが、学校の存在です。明治35年に竹藍科を備えた徒弟学校が設置され、現在でも、別府には全国で唯一、公立の竹工芸専門の訓練施設(大分県立竹工芸訓練センター)があり、多くの卒業生を輩出しています。

POINT02

伝統的工芸品として認められた別府竹細工

国の伝統的工芸品に指定された別府竹細工の技法は8つの基本的な編み方によるものです。これらの組み合わせで200種類以上の編み方が可能です。

特徴的な編み方の種類

  • 四つ目編み
  • 六つ目編み
  • 八つ目編み
  • 網代 あじろ 編み
  • こざ目編み
  • 松葉編み
  • 菊底 きくぞこ 編み
  • 輪弧 りんこ 編み

今では、巨匠から新進気鋭の職人まで、多くの竹工芸作家がおり、素晴らしい作品が日々生み出されています。別府市役所やフェリー さんふらわあ くれない船内、スターバックス コーヒー 別府公園店など、アートな竹作品に出合える場所がいっぱいです。

  • 別府市役所BEPPU CITY HALL

  • さんふらわあ
    くれない船内SUNFLOWER KURENAI

  • スターバックス コーヒー
    別府公園店STARBUCKS COFFEE

DAILY
USE ITEMS

暮らしに根付く竹細工

生活用品として
機能的にも優れた竹

別府に住む人々、そして湯治客たちに欠かすことのできなかった竹製品。飯カゴや弁当箱、盛カゴなど生活用品として親しまれてきました。

一見すると華奢に見えますが、しっかり編み込まれているため意外と丈夫で弾力性があり、軽くて持ち運びも楽々。生活で使う道具として、とても優れているんです。

ファッショナブルな
アイテムへと変化する竹

時代の流れによって、日々の生活用品としては珍しくなってしまった竹製品。それに変わるかのように、現代では工芸作家たちの手によって新たな竹細工製品が誕生しています。

涼しげなおしゃれを演出するカゴバッグ、軽やかに揺れる竹のアクセサリーなど、気軽に取り入れられるファンションアイテムとして人気です。

芸術品やファッションアイテム、 日用雑貨など形を変えて、 愛され続ける別府竹細工。

高度な技術と感性でつむぐ
職人をご紹介します。

世界からも注目を浴びる別府竹細工職人

唯一無二の作風が
国内外で
評価される名工

油布 昌伯 SHOUHAKU YUFU

長年の経験と
独自の感性による
大胆で繊細な作品。

熱烈なファンを持ち、世界的に高く評価されている現代の名工「油布 昌伯氏」。日本の著名なバンブーアーティストの一人で、その活動期間は60 年近くになります。大分県産の真竹を使用し、大胆で繊細な独創性の高い作品を作り続けています。

INTERVIEW

不動像が妙な顔で立ってるんだよ。
そこで『これを籠にできんか?』って思ったんだよ

幼少の頃から父・竹龍氏を手伝い、学校から帰ると竹を割るのが仕事でした。高校卒業後に竹職人となりしばらく安定していたものの、オイルショックの後、別府の竹細工の生産は窮地に立たされました。竹の仕事がなく、4年ほど造園業を手伝った後、竹工芸の世界へ復帰。

「ある日、別府の修験道場で滝をぼーっと眺めていてね。風が吹いてね、不動像が妙な顔で立ってるんだよ。そこで『これを籠にできんか?』って思ったんだよ」と、油布先生。その体験が今の作風のルーツとなりました。現在も主に海外からのオーダーを受け、作品を作り続けています。

経歴
1941
別府生まれ。10歳頃から父の手伝いとして竹割りが日課。
1960
県立別府鶴見丘高等学校卒業後、父・竹龍に師事
1988
伝統工芸士に認定
以後数々の作品展で入賞・入選
一時竹細工から離れるものの、復帰し作品を作り続けている

幅広い作品で
人々を魅了
海外でも活躍中

清水 貴之 SHIMIZU TAKAYUKI

日本国内にとどまらず
パリやニューヨーク、
多方面で活躍中。

オーダーメイドを中心に竹細工を創作、別府竹細工東京教室の代表もしています。竹細工の販売や展示、ワークショップの開催など海外でも活躍中です。

INTERVIEW

竹に選んでもらったという感覚があります。

大阪生まれ、別府市在住。大学卒業後に別府へ移住、大分県立竹工芸訓練支援センターに入学しました。
「竹に選んでもらったという感覚があります。訓練校に入るまで竹に触れたことすらなかったけれど、やってみたら楽しくて。竹の業界自体が下り坂だったこともあり、生活が困窮して苦しい時期もありましたが、辞めようと思ったことは一度もありません。ゆっくり竹細工を作り、温泉に入り釣りをする別府の生活は大好きです。一方、世界中からメールが来て、知らない土地で展示やワークショップを行うのも楽しいですよ」。清水さんの活動は今後も幅を広げていきそうです。

経歴
1979
大阪生まれ
2004-
2005
大分県立竹工芸訓練支援センターで研修
入校後4年間、森上仁氏のもとで修行
2007
独立
2018
伝統工芸士に認定
別府、東京、海外など活躍の場を広げている

竹アクセサリーが
大人気
「cotake」店主

さとう みきこ SATO MIKIKO

雲や木、
花など自然から、
アイデアを得て作品へ。

繊細でしなやかな竹細工のアクセサリーを作る、さとうみきこさん。雲や木、花など自然からアイデアを得て形にしています。自身の作品や作家の竹細工を販売するショップ兼工房「cotake」を2017年にオープン。

INTERVIEW

別府や大分の人が抱く竹のイメージを変えたくて、
アクセサリーを作るようになりました。

友人と訪れた「別府市竹細工伝統産業会館」で竹工芸の美しさに感動し、竹細工作家の道を歩み始めました。
「周囲の人は竹はおじさんがやるもの、伝統工芸という印象が強く、私自身も同じようなイメージを持っていた時期がありました。だからこそ、別府や大分の人が抱く竹のイメージを変えたくて、アクセサリーを作るようになりました。竹材の確保に不安はありますが、作品を今のように制作し続けていけたらなと思っています」と、さとうさんは語ります。

経歴
2014-
2016
大分県立竹工芸訓練支援センターで研修
2017
cotake オープン
ショップ兼工房にて、アクセサリーを中心に制作中

伝統的な竹細工を
ファッショナブルに
展開

一木 律子 ICHIKI RITSUKO

繊細で美しい、
暮らしを彩る
別府竹細工の日用品

白竹を使い、暮らしに密着した竹細工を作る一木さん。オーダーを受けての制作や、展示会などのテーマに沿った制作のほか、公募展にも応募し作品づくりを行っています。

INTERVIEW

巨匠の作品を見ると
『竹でこんな表現ができるんだ!』と驚いたり憧れたり。

大分市から別府へ引っ越し、はじめて別府竹細工に触れ、訓練校に入学しました。現在はstudio 竹楓舎で大谷健一先生の制作に参加したり、個人で活動している「福籠」で作品を制作したり、大分市アートプラザ「竹工芸教室」の講師を努めたりと多忙な日々を送っています。
「竹は知るほどに勉強になります。巨匠の作品を見ると『竹でこんな表現ができるんだ!』と驚いたり憧れたり。基礎ができていないと、崩せないし、遊べないのが竹です」と話す一木さん。伝統工芸士にも認定され、別府竹細工を守るための活動もより進みそうです。

経歴
2009
大分県立竹工芸訓練支援センター入校
2010-
2014
別府市竹細工伝統産業会館『竹の教室』受講
2015
工房『福籠〜fukurou〜』として制作開始
2016
『studio竹楓舎』主宰 大谷健一氏に師事
2024
伝統工芸士に認定
数々の作品展で受賞。
大分市アートプラザ「竹工芸教室」講師も務める

世界中で評価を受ける
別府竹細工

しなやかで繊細な竹細工の職人技に魅了され
フランスから来日したKarelle Couturier (カレル クチュリエ)さん。
カレルさんの別府たびをご紹介します

ぶらりまち歩きで、

別府竹細工に出合う

別府竹細工散策マップ

竹に触れ、間近で体感する

別府市竹細工伝統産業会館

別府竹細工や竹についてを学べる施設です。竹細工の歴史、素材、作品になる工程など、実物と豊富なパネルにより詳しく解説されています。暮らしの道具から、名工たちによる芸術作品まで、バリエーション豊かな竹細工の魅力に触れてみましょう。天井から吊るされたランプシェード、観たこともない大きさのオブジェ、ちょっとした小物など、隠れた竹を探してみるのもおすすめです。

同施設では、竹細工の制作体験も行っています。体験できるのは、ピンポン玉ほどの丸く編まれた竹に色のついた竹ひごを通して作る「竹鈴」や、両手をあわせたほどのサイズが可愛らしい「四海波籠」のいずれか。自分で仕上げた竹細工をお土産に持ち帰り、時と共に変化する竹の美しさも楽しめます。

SPOT INFO
別府市竹細工伝統産業会館 〒874-0836
大分県別府市東荘園8丁目2-13

ラグジュアリーな空間に身をゆだねる

ANAインターコンチネンタル
別府リゾート&スパ

別府の高台に位置するラグジュアリーリゾート。館内には、大分県の作家による竹細工が展示されています。吹き抜けのロビーには、上空にのぼりゆくように配置されたオブジェがお目見え。幅や厚みの異なる竹ひごを幾重にも編み込み、しなやかな曲線を描く作品。雄大な景色を望むガラスのそばには、羽衣をイメージした作品が陽の光や水面を反射し、幻想的な雰囲気を醸し出します。
立ち寄りでアフタヌーンティーなども楽しめる「ザ・ラウンジ」のカウンターには、柔らかなライトに照らされ、美しい竹の編み目が浮かび上がり素敵な空間を演出。プールサイドのラウンジやSPAスペース、各部屋にも竹細工が置かれています。宿泊客に向けた館内のアートツアーや竹細工体験も行っているので、ぜひ参加してみましょう。

SPOT INFO
ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ 〒874-0000
大分県別府市鉄輪499番地18

ドラマティック温泉街に逗留する

星野リゾートの温泉旅館「界 別府」

別府湾沿いに佇むドラマティックな宿。建築家の隈 研吾氏が手掛けた館内には、さまざまな竹の設えが見られます。「トラべルライブラリー」には、隈 研吾氏がイメージしたデザイン画を基に、職人たちが形作ったオブジェが並びます。別府にちなんだ作品は、まるで浮いているかのように配置され、作品の立体感を鑑賞できます。フロントや一部の壁、食事処のすだれやイス、ランプシェード、館内のサインやルームナンバーにも竹が使われていますのでお見逃しなく。
お茶菓子の小鉢や茶托、洗面所のコップなど各部屋にもさりげない竹細工が置かれており、竹の心地よさを体感。宿泊客向けに開催される「ドラマティック温泉街」建築デザインツアーでは、館内の竹細工をはじめ、さまざまなアート作品をガイドと共に鑑賞できます。

SPOT INFO
星野リゾートの温泉旅館「界 別府」 〒874-0920
大分県別府市北浜2丁目14−29

使うほどに味わいが増す竹細工は、

お土産にもぴったり

お気に入りを

見つけよう!

  • 別府市竹細工伝統産業会館 〒874-0836 大分県別府市東荘園8丁目2-13
    TEL:0977-23-1072

    詳細はこちら
  • 竹工芸山正 大分県別府市楠町4−9
    TEL:0977-22-6208

    詳細はこちら
  • SELECT BEPPU 大分県別府市中央町9-34
    TEL:0977-80-7226

    詳細はこちら
  • SPICA 大分県別府市立田町1-34

    詳細はこちら
  • cotake 大分県別府市弓ケ浜町2-28
    TEL:0977-51-4396

    詳細はこちら
  • ICHIZA 大分県別府駅前町12-13 えきマチ1丁目べっぷ b-passege内
    TEL:0977-84-7789

    詳細はこちら

知れば知るほど、 魅了されゆく奥深い、 別府竹細工の世界へ。

国内にとどまらず海外からも人気が高まっている竹細工。竹は知れば知るほど魅了されゆく奥深い世界です。

手元に置いて身近にあってこそ、竹のもつしなやかさや美しさは実感できるもの。時を経て色が変わり艶が出るところも、長年愛用する楽しみといえるでしょう。

ぜひ別府竹細工に触れ、
その心地よさと美しさ、
清々しさを体感してください。

特集のカテゴリ

お気に入りANDシェアボタン

ゆのくにゆのたび別府温泉

より良いウェブサイトにするために
皆様のご意見をお聞かせください

上に戻る