あなたらしい旅のカタチが、きっと見つかる
別府
そこは、日本有数の温泉湧出量、源泉数を誇るまち。
昔から人々のとなりには温泉があり、誰もが平等に、分け隔てなく、大地のめぐみを享受してきました。
地元の人も観光客も、日本人も外国人も、障がいをお持ちの方もそうでない方も、お湯のように混ざりあって、溶けあってゆく。そんな、別府ならではの暮らしの中で育まれた「共生の文化」は、誰もが心身にストレスを感じることなく旅行を楽しめる「バリアフリー観光」の強化につながっています。
温泉のまち、共生のまち、別府で、あなたも、 あなたらしい旅のカタチを見つけてみませんか?
駅を出た私たちを出迎えてくれるのは、別府の観光産業発展に力を尽くしたことから「別府観光の父」と呼ばれる油屋熊八さんの銅像です。
この像の土台には、彼が大切にした「旅人をねんごろにせよ」という言葉が刻まれています。 「ねんごろ」の意味は、「心を込めたおもてなし」。彼の言葉を今に伝える別府は、まさに「おもてなしのまち」。
障がいがある方でも高齢の方でも、誰もが観光を楽しめる工夫がなされています。
WANDER COMPASS BEPPU
駅に着いたらまず向かおう油屋熊八さんにあいさつしたら、ぜひ、駅東口のバス停前にある「WANDER COMPASS BEPPU」に行ってみましょう。そこは、別府観光に関する情報を多言語で発信している案内所。日本国内からの観光客だけでなく、海外からの観光客にも大人気のスポットです。さらに、車いすのレンタルサービスを利用できるのもうれしいポイント。予約をすれば別府到着後すぐにレンタルできるので、体が不自由な方や高齢の方も安心ですね。
別府市内には「別府八湯」と呼ばれる8ヵ所の温泉地が点在しています。日本の温泉は泉質の違いで10種類に分けられるのですが、別府八湯には、うち7種類があるというから驚きです。
それぞれの温泉地をめぐって、効果・効能やロケーションなどの違いを味わってみましょう。貸切りの家族風呂でゆったりとした時間を過ごすもよし。地元の人が毎日通う共同温泉、通称「ジモ泉」でディープな別府にどっぷりつかるもよし。楽しみ方はあなた次第です。
別府市内にはバリアフリー対応している温泉施設が多くあります。車いす対応の駐車場やスロープ、段差のないフラットな入口、多目的トイレなどを備えていますよ。
ひょうたん温泉
ゆったり、心ゆくまで楽しんで。別府八湯の1つ、鉄輪温泉で100年以上続く日帰り温泉「ひょうたん温泉」。ここは2019年のリニューアルに合わせ、利用日の1週間前から電話予約ができるバリアフリー対応の貸切り家族風呂を設置しました。脱衣所には車いすのままで入れる工夫が施されていたり、小さいお子様を寝かせられるベッドが置いてあったりと、細かな配慮がたくさん。人目を気にせず、気心の知れた家族や仲間だけでゆったりと入れるのはうれしいですよね。
館内には、温泉の蒸気を利用した鉄輪伝統の調理法「地獄蒸し」が堪能できる体験キッチンやレストランなども併設されており、こちらも車いすのままで利用することができます。坂道や段差がある場所も、スタッフの皆さんが手伝ってくれるので安心です。
別府には入る温泉だけじゃなく、観る温泉もあるのをご存知ですか?それが、鉄輪・亀川温泉エリアに1000年以上前から存在する「地獄」です。
「べっぷ地獄めぐり」は、別府観光の定番ルート。 酸化鉄によって真っ赤に染まる「血の池地獄」や、静かな和風庭園の中で白く輝く「白池地獄」、ボコボコと音を立てて噴き出す「鬼石坊主地獄」など、バラエティに富んださまざまな地獄は、まさに圧巻。
地球の奥深くから湧き出てくる大地のちからを、存分に体感してみてください。
べっぷ地獄めぐり 海地獄
地獄で、大地のちからに触れてみる白煙とコバルトブルーのコントラストが美しい「海地獄」は、2017年にリニューアル。「SHOP REN」として生まれ変わった売店は通路を広く取り、車いすが通りやすく、お土産選びがとっても楽に楽しくできるようになりました。売店2階にオープンした温泉ミュージアム「GALLERY AO」とは車いす対応エレベーターでつながっており、移動も楽々。少し段差はありますが、バルコニーに出て海地獄を上から眺めてみるのもおすすめです。さらに敷地内の足湯にはスロープも設置されているので、車いすの方でも足湯を楽しむことができます。これはうれしい配慮ですね。
べっぷ地獄めぐりを構成する7ヵ所の地獄はそれぞれバリアフリー対応を進めており、多目的トイレやスロープの設置などをはじめ、車いす用の観覧スペースを用意している地獄もあるので安心です。
地獄めぐり通り
車を使わずに地獄をめぐる際は「地獄めぐり通り」を通れば、情緒ある温泉街の風景が楽しめます。
ただ、少しだけ心に留めておいてほしいことが。
それは、別府が「坂のまち」だということです。自然の地形を活かした地獄の敷地内にも急勾配な場所がいくつかありますし、地獄めぐり通りもなだらかな坂道となっているので、雨の日などには十分に注意したいものですね。
別府は「日本パラスポーツの発祥の地」という誇りを持ったまちでもあるんです。「共生」の精神によって育まれ、発展を続ける日本のパラスポーツ。その原点を学び、過程を体験できる施設が2020年にオープンしました。それが、社会福祉法人「太陽の家」の敷地内にある資料館「太陽ミュージアム~No Charity, but a Chance!~」です。
日本の障がい福祉を学ぶため、太陽ミュージアム~No Charity, but a Chance!~には海外からも多くの見学者が訪れるそう。あなたもここで、みんなが「共に生きる」ヒントを見つけて見ませんか?